あなたは、どんな人間関係を心から求めていますか?
「お互いを尊敬し合い、安心して自分になれる関係」
「自分の望みを心から理解され、お互いに助け合える関係」
私たちは誰しも、こうした心地よい人間関係を心から求めているものです。
これは夫婦関係に限らず、すべての人間関係に言える普遍的な願いではないでしょうか。
けれども、もし今あなたが「もっと良い仲間に恵まれたい」「素敵な人間関係を築きたい」と思っているのなら、まず最初に見直さなければいけないものがあります。
それは、「あなた自身と、あなたとの関係」なのです。

外側に求め続けてきた「仮の愛」

実は私自身、この「自分との関係」が全く築けていませんでした。
そして当時は、そこに根本的な人間関係の原型が隠れていることすら分かりませんでした。
「自分以外の誰かから大切にされ、愛され、私を満たし、そして癒やし理解されるものだ」
そう信じて、そんな理想の存在がいつか現れることを、ずっと待っていたのです。
当時の私には、「私には価値がない。だから価値のあるものを外から足すことで、自分に価値をつけよう」という発想しかありませんでした。
けれども、自分が自分を否定した状態で、外側から何かを足しても、それで自信がつくわけではありませんでした。
もしそんな理想的な人物が現れたとしても、今度は「自分は欠けている存在だ」という劣等感でもっと苦しくなっていたことでしょう。
年齢を重ねるごとに、その表面的な「仮の愛」では、いよいよ心の寂しさは満たされないことに気づいていきました。

「自分が好きじゃない」という大きな誤解の正体

大きな自己否定をしながらも、ずっと私の心の中で疑問だったことがあります。
それは、「私は、私のことを本当に好きじゃないと思っているのだろうか」ということでした。
当時の私は、何をしてもダメだと自分に厳しく接し、鏡を見れば悪いところを探してしまう状態でした。
自分の思いや望みが湧いてきても、無いもののように隠していました。
実はそこには、自分を出すことへの恐れがあったのです。
「他人が自分をどう思うのか」という恐れ。
万が一、自分を出して否定された時に傷つくことが辛い。
そう思うと、人の前で自分をさらすことに躊躇ってしまい、自分を隠すようになりました。
「本当は、自分のままで愛されたい。理解され認められたい」と望みながらも、心が一番恐れるのは、その自分を否定されることです。
ですから、本当の自分を隠し、本音を隠して一生懸命に守ってしまうという矛盾が生じるようになったのです。
ついには、自分自身でありのままの自分を出すことを厳しく禁じてしまっていました。

過去の私に教えてくれた、友人とのエピソード

コンプレックスの塊だった私でしたが、ある日、「私は自分を嫌っているわけではないのかもしれない」とはっきり実感した経験がありました。
私のまわりに、とても魅力的なのに、なぜか自信がなく、いつも私と比較して自分をアピールしてくる友人がいました。
ある日、彼女と話していたとき、私は何気なく「もし、誰か一人有名人になれるとしたら誰がいい?」と質問したことがあります。
彼女は迷わずに、ある女優の名前を挙げました。
その即答ぶりにちょっと驚きましたが、自分で質問をしておきながら、私はなりたい有名人の名前が一人も浮かばず、言葉に詰まってしまったのです。
そのとき、心の中に強い思いが湧き上がってきました。
「私は、自分以外の誰かには絶対になりたくない」
素敵な人への憧れはあるし、その要素を取り入れたい願望はあります。
でも、「自分を別の人に変えること」は絶対に嫌だと思ったのです。
それならなぜ、私は自分をこんなに認められず、自信が持てないのだろう。
「自分を愛するってどういうことなのだろう」という疑問だけが、私の中に深く残りました。

私たちが「自己否定」をしてしまう理由

今なら分かります。
私たちが自分を好きになれなかったり、認められなかったりするのは、本当は本心ではないのです。
ただただ、大切な自分を必死に守ろうとする、無意識の「自己防衛」をしていただけだったのです。
私たちは、本当は心の底から自分自身を愛しているのです。
では、なぜ自己否定をしてしまうのでしょうか。
それは、幼少期の親との関係、兄妹、あるいは幼稚園の頃のクラスメイトなど、身近な人間関係の中で「ありのままの自分を出して拒絶された経験」によるリアクションなのです。
自分を否定されることは、生存の危機を感じるほど強い痛みが伴います。
そのため、私たちは自らを守るための「防御策」として、相手に愛されそうなキャラクターを演じて、本当の自分は出さないようになってしまいます。
この「再現ドラマ」は、会社や近所付き合いであれば逃げ場もありますが、大抵逃げ場のない「夫婦関係」において見事なほど鮮明に現れます。
パートナーに対して失望し、相手を否定して戦い続けてしまうのは、実は自分の内側にある「本音」に頑丈なロックがかかっているからなのです。

自分を本質的に理解することから始まる

人間関係に悩み、心を閉ざして、「仮の愛」のために自分を装っても、心の中の本音は消えることはありません。
そして、この思いに自らが責任を持ち、自分のこととして受け止めてくれるまで、それはあなたを悩ますものとなり続けるでしょう。
けれども、自分が感じている本当の思いを深く受け止め、そして認めていくと、外側の人間関係にも変化が現れるようになります。
世間的な価値観に囚われて「他人経由の自分」を生きるのをやめ、自分自身に正直に生きるとき、私たちの心はもっと素直で、愛に満ちたものに変わるのです。
私たちは決して、自分が嫌いなわけではありません。
ただ、社会から「唯一の正解」を示され、それに合わないのに「自分がそこハマらなくては、自分の存在する価値はない」と思い込んでしまっているだけなのです。

あなたという花の価値を知る

これからは、自分という「本物の花」の価値に気づいていくことから始めていきましょう。
自分の好きなもの、望むもの、苦手なもの、嫌なもの……。
それは小さなものから大きなものまで、すべて「あなた」という存在がありのままに感じている気持ちから湧いてくる、素直な思いです。
そして、自分自身という「花の色」が分かればわかるほど、大切にすればするほど、あなたの人間関係は、劇的に豊かなものに変わります。
そのためにも、他者との関係を心地よいものにするために、まずは自分自身との関係を最も心地よいものにしていきましょう。
あなた自身に、そしてあなたの人生に正直になり、幸せになるために計画されたこの人生を、喜びを持って生きる決意をしましょう。
あなたという美しい庭に、心に豊かな果実を実らせる
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