カウンセリングの中で、特に女性が向き合う大切なテーマがあります。それは『母親との関係』です。
「どうして私とお母さんは、こんなに関係が難しいんだろう?」と感じたことがある方は、多いかもしれません。ただ、実はこの関係に対する疑問と違和感こそが、あなたが自分の人生を生きる上でとても大切な入口なのです。
なぜなら、ヴェーダ占星術のホロスコープにおいて、第4室は幸福の部屋であり、同時に「母親の部屋」だからです。この部屋は私たちの心の領域を表し、人生の幸福度と深く結びついています。
つまり、ホロスコープというのは、客観的な事実の記録ではなく、「自分の魂が、この世界をどう認識するか」という心の認知の設計図なのです。そして、母親との関係から、あなた自身の心の設計図を垣間見ることができ、これにより「自分にとって本当の幸福とは何か」を知ることができます。
同じ母親から生まれても、母の印象が違うのはなぜ?
「母親」とは、一体何なのでしょうか。
興味深いことに、同じ母親から生まれた兄妹であっても、ホロスコープの第4室(母親の部屋)の主星座はほとんどの場合異なります。つまり、同じ母親から生まれても、子どもによって意味合いや捉え方が変わるのです。
これは、その子その子で、「母親のどの側面を強く体験するか」が異なっており、母親との関係性に違いがあるため、心での認知の仕方が変わるからです。
例えば、上の子は、母親が仕事や家庭内の問題で忙しい時期に生まれた子であった場合、母親を「厳しく、社会的に自立した人(土星や太陽の影響)」と捉えるかもしれません。そして、下の子は、母親がある程度、心の余裕があった時期に生まれた場合、母親を「優しく、包容力のある人(月や金星の影響)」と捉えることがあります。
(ちなみに、夫から見た「妻」としての姿も、夫の目に映る一人の女性としての姿は、子どもたちから見た姿とは全く異なるのです。)
過去世から受け継いだ「業」を映す鏡
ヴェーダ占星術は、その人自身が世界をどのように見ているか、そして、「過去から受け継いだものは何か」という目に見えないけれども確かに自分が歩んできた業(カルマ)を映し出す鏡です。
ですから、自分の魂が持つ課題やテーマが、それぞれの人生に登場する人たちの役割となって現れるのです。
その中でも、母親は心の領域を表し、その人の人生の幸福度と直結しているものです。
ですから、私はその方のホロスコープを見るときは、何よりも第4室がどのようにデザインされているかに注目して見ます。
なぜなら、第4室は幸福、心、母親の部屋であり、さらに「カルマ」を象徴する重要な部屋だからです。
カルマと聞くと、悪いものを想像しがちですが、良い業も悪い業もすべて含めた因果のことをこのように呼びます。ですから、第4室が表すその人の「幸福」というのは、過去で関係した行いの決着をはっきりと付けるという意味の「清算」をする部屋だとも言えるのです。
胎内から始まる、愛の記憶と受け継がれるもの
母親という存在は、あらゆる意味で自分自身の人生に最も多大なる影響を与える存在です。
私たちのこの生は、母親の胎内に始まります。母親から受け取った情報が人生を左右します。特に、自分が生まれた時の母親自身の年齢、精神状態、置かれている環境は、私たちの心に強い印象を与えます。
母の胎内で聴いていた、内臓の鼓動、脈の音。その時、母が感じていた喜びや安心、動揺や不安感から怒りの感情までもが、頭の記憶にはなくても、潜在的にすべて覚えているのです。だからこそ、私たちの人生はこれほどまでに複雑になるわけです。
自分の記憶にはないはずなのに、なぜか無意識に避けてしまう癖や、怖がってしまう部分。あるいは、理屈抜きで抱く好感。そうした態度も含めて、それが本当に自分の記憶なのかどうか、身体に刻まれた記憶というのは簡単に説明がつきません。
さらに、占星術的には、惑星の周期における影響があって、それによって母親の出すエネルギーも変わるのです。
母親の色眼鏡と自分のメガネ
ただ、充分に母親と自分との関係性から自立できなかった場合、大人になってからもずっと母親の視界で世界を見続けることになります。これは、一種のフィルターであり、色眼鏡なのです。
私たちは、どんなに物質的な豊かさ(お金や地位)があっても、心に不安があれば、何をしても満たされない感覚が湧き上がってきます。生きることそのものが、母親との関係の中でデザインされてきたからです。
心に不安があれば、何も満たされないーー。
これが、4室をサンスクリット語で「スクハ・バヴァ(幸福の部屋)」と呼ぶ一つの理由です。
人生の始まりにおいて、私たちが投影した母の印象は、たった一つの情報に過ぎませんでした。ところが、私たちはあまりにも「母親=絶対の存在」と過大評価し過ぎたあまり、母の印象もすべて絶対なものとして自分の一部としてしまったのです。お母さんの色眼鏡を自分の色眼鏡だと思い込んで生きている限り、私たちは「自分にとっての本当の幸福」に気がつくことができません。
母子共通の課題
もう一つの第4室にある秘密は「魂は自分の持つ課題とよく似た課題を持つ母親の元に生まれる」ということです。
「母の経験によって生み出された世界の認識」に、私たちがなぜ同調できてしまうのは、単に胎内記憶だけではありません。自分自身の過去世に通じる、同じ経験(課題)を持っているからなのです。
幼少期に母親から受ける影響を通じて、自分の中に眠っていた過去世におけるカルマ(愛のトラウマ、安心感の欠如、あるいは無条件の全能感など)が呼び覚まされる仕組みになっています。
つまり、母親というのは、自らこの母子共通の課題を体現し、その上で子どもに一つの選択肢を与えてくれる人だと私は感じてます。
例えば、母子共通の課題が「忍耐」だったとします。
母は、「忍耐」というテーマをどのように経験したのか、というモデルを子どもに与えることができます。子どもは自分が経験していないことであっても、母親を通じて「この選択はこのような結果を招く」という良い手本も、悪い手本も見せることができるのです。そうすると、子どもは初めて主体的に選択することができるようになります。
それが「母のようにはなりたくない」という反面教師になるかもしれないし、逆に「母のようになりたい」かもしれません。特にこれは、女性が経験するものです。
母親の見方が変わる、一つ高い視座にあがる
ですから、ただ母が見ていた景色をそのまま受け入れて生きるというのは、ある意味では「お母さんのせい」にしたまま、自分の魂の課題を放棄していることになってしまうのです。
母親が見せた背中を見て、「自分はどう生きるのか?」
この選択が与えられたと思うと、母親に対する見方は一つ高い視座に変わるものです。
そのため、母親に関するすべての感情は、母親の側に責任である場合もありますが、多くの場合はそこで「選択できる機会を与えられた」ということ。この豊かな恩恵を受け取れるのかどうかで、自分の人生は大きく変わるのです。
ヴェーダ占星術には人生の目的を表す4つのテーマ(人生の4目的)があり、4室・8室・12室は「モークシャ(解脱・スピリチュアルな目覚め)」のグループに属します。
その最初のステップである4室は、「自分の内側の心と向き合ってカルマを解消する」という精神的な学びのスタート地点となっているのです。
ですから、母親に求めるものは、つまりは、「この人生に求めているもの」なのです。そしてそれは、自分の内側に宿している力でもあります。だからこそ、私たちはこの母親から受け取りたいものを人生をかけて渇望し、そしてこれを自分自身の中から引き出そうとするわけです。
だからこそ、第4室は身体の部位で「胸や心臓」―つまり、心を司るハートチャクラの場所を表します。
母親から受け取った愛を、今度は自分自身の中から引き出すこと。
ここは、あなたの「心」が物質化し、本当の自分として目覚めていく場所なのです。
あなたという美しい庭に、心に豊かな果実を実らせる
Abundance Programアバンダンス・プログラム
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